何で居んの?
ここら辺に住んでるとか?


見つかんないように、通ろ。
今日会ったばっかだし気づかれないよね?

あたしは桐谷の黒ベンツの横を通る。
突然、車の窓が下にスライドされる。


「気づかれないとでも思ったか?……赤松えみ」

車の中からあたしに微笑む桐谷……。

「ハハハハ……。さよなら」


あたしは走った。

「ちょっおい!」


だけど、それは無駄だった。