・・・望む者。

耐え難い苦痛から、逃れるために。

そんな選択も。

自分自身で決めたことならば、それでいいと思っていた。

でも今は、とても羨ましく。

贅沢なことだと思ってしまう。


・・・望まざる者。

その日が来るまで。

辛いことも嬉しいことも。

何かを見つけるために、この世界と共にいればいい。

見えないゴールは、無理に見る必要はないのだから。


運命だったのか、気紛れだったのか。

神様が決めた、消費期限。


若い医師から、告げられた言葉は。

「もってあと、一年だと思います。」

とても簡単なものだった。


私という存在が、意識が、無くなってしまうのか、別のどこかへと行ってしまうのか。

その答えが見つかるまで。

あと少し。

<終>