右も左も解らない、幼い頃から。

人を殺すことが勲章だと、教えられてきた。


敵を殺せば殺すほど。

自分の立場・待遇・階級が。

目に見える形で上がっていく。


見せしめのために。

信頼するために。

立場が上だと解らせるために。


あなたの一番大切な人を、手にかけよう。


悠長に話し合いだなんて。

憎悪はいつでも簡単に、呼び起こせる。


自分の身長と。

同じくらいの銃を持った少年が。


テレビ画面の向こう。


人間らしい眼差しで。

一瞬微笑んだような気がした。

<終>