親指が。

投稿ボタンを押すたびに。

人としての優しさが。

擦り減っていくような、そんな感じ。


携帯の小さな画面の中。

そこはもう別の世界。

たくさんの掲示板で。

たくさんの言葉たちが。

たくさんの匿名者を受け容れる。


― 学校裏サイト ―


教室で。

体育館で。

学校中で。

監視者の目は、常にあなたのことを見つめている。

どんなに仲が良かろうと。

どんなに親友だと絆を結んでみせようと。

他人の本当の気持ちを理解することなんて、至難の業だ。


ある日突然。

あなたの大事な情報が描かれ始めたとしたのなら・・・。

面と向かって言えない臆病な言葉たちが、この瞬間も産み出され続けている。

<終>