「でも、あの、来てくれたってことはミステリーとかオカルトに興味があるってことですよね? どういう活動を望んでいたのかとか聞いてみるだけでも、聞いてみてから怒っても、その…遅くはないかと…思います」

千鶴は自信なさげにそう言ってから、手に持ったままになっていたお盆をぎゅっと掴んで顔を俯ける。そんな千鶴の様子を見て夏希も他の部員もほぅ、と解り易いほど大きな溜息を吐いて霧島へと視線を移す。

「千鶴の言う事も一理ある、か。というわけで霧島君、君がどういう活動を予想してたのか、聞かせてもらえると有難いんだけど?」

有難い、なんて言っているが「言えるものなら言ってみなさいよ」とでも言っているように聞こえる物言いで夏希は霧島へと問いかける。問われた霧島はと言えば、先程と同様につまらなそうな表情のままで、気だるげに口を開き「ディベート」と一言発した。