一緒に図書館を出て、門の所で“さようなら”と言って別れた。

自宅に帰る道のりも、ずっと透さんのことを考えた。


「…不思議な人だったなぁ。」




また、会えるかな…

そう思っている自分の方が、もっと不思議だった。







―ミーンミンミンミン…

――ジージージー…








『………』




あんなに煩わしかった蝉の声が…





なんだか心地よく聞こえた。








照りつける太陽にやられたのかもしれない…





なんだかとてもクラクラする。








『……』






この時すでに、認めなかったセカイに‥‥




私は立たされていたのかもしれない…













不意に蘇るあなたの笑顔




目まぐるしい……





















信じられない…












夏の日。