初めての恋は叶う事のないもので、それでも私は素敵な恋をしたと思っています。


「17の夏?あ、あの時の奴だ…」

「うん。」

「で?」


あれ程嫌っていた蝉の声も、今ではとても心地よく感じています。


「ふふ、それでね……あ、その前にね、龍之介。」

「ん?」


ちょうど赤信号で停車し、龍之介は唄に顔を向けた。


今、この瞬間。

私の話を無条件で信じてくれる彼を…


「愛しています。」

「ばっ////お前っ…!!」

「ふふ。」


心から愛しています。