「唄さんは夏休みどこか行かないんですか?」

「え??」

「彼氏と出かけたりはしないのかなぁと。」

「彼氏いないんですよ!」


吉田の顔が一瞬頭に浮かんで…苦笑いしながら答えた。

何で吉田なのよ!!


「っ?そうなんですか……??」


とても不思議そうな顔をした後、軽く微笑んでそう言う透さん…


「はい。」

「もったいないですね。唄さんはこんなに可愛らしいのに!」


ニコリと笑う透さんと目があって、なんだか恥ずかしかった。


「そんなっ////」

「唄さんは、素敵ですよ。」

「ぁ…ありがとうございますっ///透さんも素敵です!」


私がそう言うと、透さんがまた笑った。

いつもの柔らかい笑顔ではなく、少し切なそうに…









「へぇ…。唄さんは一人っ子なんですか。」

「はい。だから小さい頃から家では本ばかり読んでました!」

「そうなんですね。」

「友達が六人兄弟の一番上なんですけど、いつも賑やかで羨ましいって思います。」

「六人ですか。それは賑やかで、楽しそうですね。」


私の話にクスクス笑う透さん…

さっき見せた切なげな笑顔は何だったのかな…