扉をあけるとそこにはお父さんが座って新聞を読んでいた。

「お父さん、おはよう。」

「おっおはよう。朝から賑やかだなぁ。」

お父さんが新聞からちょこっと顔をだす。

「そんなことないよぉ。お兄ちゃんが変な雑誌散らかしてたから…」

「変な雑誌?お母さん、知ってる?」

お父さんはキッチンにいるお母さんに話し掛ける。

「私はしりませんよぉ。…あぁでもこの前部屋を掃除しに行ったら雑誌が投げてあったんで捨てたわよ。」

お母さん、ナイス!!どんどん捨てちゃえ!と心のなかでガッツポーズをしていた。

「おはよう。」

噂をすれば…いらっしゃった。

「海斗、部屋をちらかしちゃいかんだろっ。」

お父さんは挨拶より先に説教をし始めた。私はざまぁみろと思いながら、席につき朝食の続きをした。兄貴は相変わらず、お父さんと仲悪いみたい。

「…だから分かったか!ちゃんと片付けるんだぞ。捨てられたくなかったらな。」

「はいはい、わかってますよ。朝から説教はやめてくれよな。気分が悪くなる。」

「なら、言われないようちゃんとしなさい。」

その後、兄貴は黙った…といぅか無視した?いつもお父さんと兄貴が顔をあわせるとケンカになってしまう。なんでだろう。

コーヒーを飲んでいると向かい側のお父さんが新聞をめくりながら私に話しかけてきた。

「瑠歌、今日は入学式だなぁ。お前もここまでよく頑張ったなぁ。」

「うん、そんなことないよ。入りたい高校れたし、まだまだこれからだよ。」

私は笑いながら否定した。

「まぁ頑張りなさい。今日はお母さんといくんだろ?」

「はぁい。うん、そだよぉ〜ねぇお母さん。」

斜め左前に座っているお母さんに言った。

「そうね。何着て行こうかしら。」

「お母さんに任せるよ。」

私はとてもウキウキしていた。学校でたくさんお友達できるかなぁとか、勉強は難しいかなとか、いろいろ頭の中で想像していた。

「…ごちそうさん。いってきます。」

兄貴が立ち上がり鞄を持って玄関に向かっていく。その後ろにお母さんがお弁当を持ってついていく。

「それじゃ気をつけてね、帰りは遅いの?」

「うん、部活あるから。」

「そう、いってらっしゃい。」