『コンコン…』

扉をノックするが、反応がない。はぁっとため息をし、扉をゆっくり開けていく。

「なんで私が…」

部屋に入るとベッドで寝てる兄貴がいた。机の上に目をやると、いろんな雑誌がちらかっていた。

「また変な雑誌買ってぇ…男ってこんなのが好きなの…?」

呆れながら、寝てる兄貴の体を揺すった。

「お兄ちゃん、起きて遅刻するよぉ」

「うぅ…後1分だけぇ…」

兄貴はそう言って潜ってしまった。

「ちょっ、お兄ちゃん!んもぉ…あっ!いいこと考えたぁ♪」

私は兄貴から離れ机にむかい雑誌を手にとった。それを開き大きな声で朗読した。

「えっとぉ…何々…そこはらめぇ!!!…」

その声にびっくりしたのか、ガバッとベッドから起き上がった。

「瑠歌てめぇ!!!何大声で人の雑誌音読してんだよぉ!!」

私が持ってた雑誌を奪うかのようにとった。

「音読されたくないんなら鍵付きの引き出しにいれればいぃじゃないっ!だいたい、なんでこんなにいっぱいあるのよ…。」

私は散らかり放題の部屋を見渡した。

「いいだろぉ、べつに。ここオレの部屋だし。」

「まぁそうだけど、お母さんが知ったら…どうなることやら。」

私はやれやれと頭を左右に揺らした。

「うっ…そぉいぇばこの前部屋入ったら何冊か消えてたような……まさかっ!!!」

そう言って、兄貴は慌てて鍵付きのとこに雑誌を詰めていった。

「お母さんが早く準備して下に降りてこいってぇ。じゃぁ私、出るよ。」

「おっおう!了解。」

私は部屋を出て階段を降りた。やっと朝ごはんをゆっくり食べられると思うと、さっきのことはすぐ忘れた。