「遅いんだけど?」


いきなり手を掴んで、数学資料室に入れられた。


知くん…怒ってるかな?


『ごめんなさいっ!!あの…桃夏ね、浮気とかそうゆうつもりぢゃなくて!!先輩が落とし物で困ってて、その後……桃夏が先輩のい、えにっっ…!?』


「それ以上言うな。聞きたくね~。」


そう言って抱き締めてくれる知くんに、桃夏は嬉しくて嬉しくて泣いちゃう。



『怒ってると思ったんだよ?』



「怒ってるにきまってんぢゃん。」



『えっ、あ、ごめんなさいっ。だから、悪気があったとかでもないし、これからは気を付ける!!』


「まぁ、俺のせいでもあるから、許す。」



よかった、許してもらえた。
これからまた仲良くできるよ。

えへへ…。
ちょっと照れちゃうなぁ~。



「でも、お前も俺以外の男にノコノコついてくな。」


『は~い。…お兄ちゃんとマネージャーわぁ?』


「あのな…お兄さんは家族だろ?別に家族について行くななんて言ってね~から。あと桃夏の専属マネージャーは結婚してるから許す」



『は~い。』