メールが届いたのに、内容を読むのが怖くてケータイを握り締めていると…
「ほらほら、早くメール開きなよ。」
結子がケータイに顔を覗き込ませながら、桃夏を急かす。
『…だってぇ…。ちょっ!!』
いまだにメールを開かない桃夏の手からケータイを取り上げて、結子が勝手にメールを見る。
どうしよう…
なんて内容かな?
でも読みたくない。
読みたい気持ちと読みたくない気持ちが半分づつ。
メールを読んだ結子の第一声が怖くて顔を伏せていると…
「ふふっ♪」
何かを楽しむような笑い声が聞こえた。
『な、何て書いてあるのっ!?』
結子の笑いが、悪い内容で笑っているようには聞こえず、桃夏もケータイを覗き込んだ。
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from.知くん
件. (not title)
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数学資料室で待って
る
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『………』
「行ってらっしゃ~い♪むふふ~♪」
『笑えないし、結子その笑い方ちょっと怪しいよぉ。』
どうしましょっ!!
もし、別れ話とか切り出されちゃったら!!
いやいやいや、
その前に、もうすぐ休み時間終わるのに今更お呼び出しですか?
それに、まだ反省文考えてないよ~!!
「早くっ!!絶~対、大丈夫だから♪」
『ホントにぃ?』
「ホントにっ!!」
『ホントのホントに?』
「ホントのホントに♪…って早く行ってこいっつぅ~のっ!!」
『行ってきま~す!!』
結子からも気合いをもらったし、
気を取り直して…数学資料室へ出発進行~っ♪