『…ないです…ね?』


先輩の通学路でケータイを探し始めて、かれこれ1時間近く経つ。


桃夏の家と学園からの方向は真逆だった。


辺りも薄暗くなってきて、なかなか探しにくい状態。



「もう無理だ。諦めよう。」


『そうですね。もう暗いですし…。』


桃夏は夕飯の買い出しも行かなきゃいけないから。


「ぢゃあ、俺ん家ココから超近いから、飯食って帰る?」


『えっ!?でも…悪いですよ…。』


もう疲れてるから夕飯作るの少し面倒くさいから、ちょうどいいけど…。


「今日のお礼くらいさせろよ?遠慮すんなって。」


『…それぢゃあ、お言葉に甘えて……』