それからどれくらい眠ったのだろうか。

 しまった! と思って目を覚ますと、慣れない温かさに包まれていることに気付いた。

 腰に重みを感じ、触れてみる。

 乾いたような、でもしっとりしているような不思議な感触。

 目で確認してみるとどうやら人の腕。

 驚いて振り返れば寝息を立てている歩がいた。

 思わず声を上げそうになったがギリギリのところで抑える。

 部屋を見渡してみると見慣れない部屋だった。

 机の位置でわかる。

 ここは、歩の部屋だ。

 頭の中にハテナが暴発する。

 なぜ自分はここにいるのだろう。

 どうやってここまで来たのだろう。

 そして、なぜ歩とベッドに入っているのだろう。

 はっとして急いで体を確認する。

 大丈夫。下着は着けている。