「どんだけ飲んだんだよ」

「カクテル四杯くらい。何ともなかったのに、バスに乗ったらクラクラしちゃって……」

 歩はまたため息をつく。

「バーカ。高校生のくせに飲みすぎなんだよ」

「だから四杯だってばぁ」

「カクテルってビールとかチューハイよりよっぽどアルコール強いんだぞ」

「え、そうなの?」

 ……知らなかった。

 ジュースみたいだし、ほとんど入ってないと思ってたのに。

「つーか未成年の飲酒は法律で禁止されてんだよ」

「さすがにそれは知ってるって。若気の至りってやつよ」

 私の吐く酒気を帯びた熱い息が、白くなっては風に流れていく。

 歩の吐く息とは濃さや量が違うことから、自分の息が上がっていることに気付いた。

 さっきまで熱かったのに、今は頭がヒヤッとする。

 寒いせいだろうか。

 寒いのに眠気はどんどん押し寄せてきて、私は歩の肩を枕にして眠ってしまった……。