結局、愛が芽生えた浩二君と真理は二人でご帰宅。

 酔っ払いの悠晴と素面の由香を伊藤姉弟が車で送る。

 そして、私は……。

「帰るぞ」

 駐車場までみんなを送って、歩とバス停へ歩く。

 嬉しいような、気まずいような、むず痒い感覚。

「なんかごめんね。邪魔しちゃって」

 とりあえず気まずいのを取り除きたくて謝った。

 歩は真顔のまま、いいよと呟く。

 正直私は歩と二人になれて嬉しい。

 けど歩と響子さんの貴重な時間を奪ってしまった。

 悪いことをした気がする。

 バス停に着くと、これから終バスに乗ろうという人がたくさんいた。

 きっとみんなクリスマスで楽しんでいたのだろう。

 当然バスは混み合っていて、座ることは出来なかった。

「お前、酒臭いぞ」

「飲んだもん」

 蔑むようにため息をついた歩を見て、泣きそうになった。