先日会ったときとは髪型も化粧も違うからか、響子さんは私に気付いていないようだ。
「姉ちゃん、ちょうど良かった。車?」
「車だけど、何よ?」
「こいつ飲みすぎちゃってさ。送ってくんねえ?」
「はあ? 高校生のくせに飲みに行ってたわけ?」
あからさまに嫌そうな顔をする響子さん。
歩には見えない角度で。
その辺がなかなかやり手だと思う。
「あたしはこれから彼氏を送って……」
「俺はいいよ。恵里もいるし、こいつ送って帰るから」
その時初めて私に気付いた響子さんは、作り笑いになった。
「恵里ちゃん、久しぶり……」
「お久しぶりです」
三日前に会っているし、あんまり久しぶりではないが。
彼女の冷たい視線が私に刺さって身震いした。