「どうして?」
「さっき二人で語り合ってたじゃん」
唇を尖らせてまたぐびぐびとグラスの中身を減らしていく。
「あー、違うの。こないだの幼馴染の彼女がね、春樹君のお姉さんだってわかって、世間は狭いねって話してたんだ」
私の答えを、酔っている彼は理解しただろうか。
笑顔で納得しているようだが、たぶんわかっていない……。
「えへへへ」
笑いながら隣に座った私に寄りかかってきた。
少し驚いたが、彼の体はそのまま背中を伝って床へ。
そしてそのまま眠ってしまった……。
「悠、潰れた?」
春樹君と由香が苦笑いしている。
潰れた悠晴をほったらかし、三人で盛り上がった。
終バスも近くなり、店を出て街を歩く。
潰れた悠晴は春樹君に担がれている。
「うー……」
店のトイレで何度も吐いたのに、まだ苦しそうだ。