愛が芽生えそうな二人と少しだけ距離を置き、残りの四人が温かい目で見守る。

 私は自分のカルアミルクを片手に、悠晴の隣へ移動した。

「悠晴、この間はごめんね。くだらないケンカに巻き込んじゃって」

 生レモンサワーのレモンを搾りながら、彼は八重歯を見せた。

「気にすんなよ。サボればって言ったの俺だし」

 割り箸でぐるぐるグラスをかき回して、こちらに差し出した。

 カチン

 私のカルアミルクに当てて小気味良い音を立てると、グラスの三分の一くらいまで一気に飲み干した。

「ぷはっ」

 彼の前に、空きグラスが二つもある。

 高校生のくせに、飲み過ぎだ。

「それより、さ」

 悠晴が赤い顔をこちらに向けて頬杖をついた。

「春樹のこと、気になるの?」

 とろんとした目は、酔っぱらっている証拠だ。