「へえ、意外。南高の人も、そんなことするんだ」

「はは、何だよそれ。俺だって健全な高校生だっつーの」

 わかってるよ、そんなの。

 意外だなんて本当は思ってないし。

 嫌なだけ。

 あの人とそういうことしてるのが。

「お前らだって、同じだろ?」

「お前ら?」

「ほら、昨日のチャラ男」

 チャラ男?

 ああ、悠晴のことか。

 付き合ってるって誤解してるんだ。

「あいつは違うよ。付き合ってないし」

「そうなの?」

「好きな人は、別にいるし」

 悔しいけど、認めたくなかったけど、あんたなんだよ。

 ミシミシ胸を圧迫され、苦しくなった私は静かに深呼吸をした。

「好きな人がいるのに、違う男と遊ぶわけ?」

 お前は間違ってるといわんばかりの表情にイラッとする。