翌日、放課後。

 聡美と笑いながら校門を出たところで見覚えのある車を見つけた。

 そして、あまり会いたくなかった人の姿も。

「恵里ちゃん」

 上品な笑顔を振りまく彼女に、私は凍り付く。

「恵里、知り合い?」

 聡美が何気なくこちらに顔を向ける。

「歩の、彼女……」

「うそっ。超美人じゃん」

 歩いているから、彼女との距離はだんだん近づく。

 止まらないわけには行かない。

「響子さん……こんにちは」

 軽くお辞儀をすると、響子さんは笑顔のまま腕を組んだ。

「あのね、恵里ちゃん。あんまり歩に迷惑かけないでほしいの」

 笑顔ではあるが、あのときと同じトゲがある。

「すみません」

 一応謝るが、素直じゃない私は「どうしてあなたに謝らなきゃいけないのよ」という意識が働く。