「恵里、帰ろう」

「……うん」

 頷いて、顔を上げる。

 涙を拭って表情を整え、悠晴のほうを向く。

 彼は1メートルくらい距離をとって、気まずそうに私たちを見ていた。

「悠晴、ごめん。あたし、帰らなきゃ」

「ああ、うん。気をつけてな」

「ありがと。またクリスマスにね」

「おう」

 悠晴はチラッと歩のほうを見て私に手を振り返した。

 歩と二人で、バス停へ歩く。

 二人で並んで歩くなんて、小学生の時以来だ。

 すっかり私より背が高くなった歩は、あの頃とはまるで別人。

 探しに来てくれた理由とか聞きたいことはたくさんあるのに、頭の中で質問がうまくまとまらなかった。