涙で上手く言葉を出せない私に代わって、悠晴が代弁する。

「何が違うんだよ」

「アンタは黙ってろ」

 ぴしゃりと跳ね付け私の肩を掴んだ。

 眉の釣り上がった顔を向けられ、私も負けじと睨み返す。

「連絡もよこさず、時間になっても帰ってこない。おまけに電話も出ない。おじさんもおばさんも、どんだけ心配したと思ってんだ!」

 その言葉に、体の力が抜けた。

 顔の筋肉まで緩んで、我慢していた涙も流れた。

「い、いつもはこのくらいまで、遊んでるじゃん……」

 こぼれてしまった涙。

 声にも力が入らない。

「あのな、だったら電話くらい出ろよ。何かあったんじゃないかとか思うだろ。事故に遭ったかもしれないとか、事件に巻き込まれたかもしれないとか、色々考えてたんだぞ」

 静かにそう告げた歩。

 私はとうとう足の力まで抜けてしまい、へたり込みそうなところを歩に支えられた。