「嫌なことって?」

 ヘラヘラ笑いながら、軽ーく聞いてくる。

 真剣に聞くつもりがないのは明らかだ。

 だから私も軽ーく答える。

 面白おかしく、ヘラヘラ笑いながら。

「あたし、親にカテキョ付けられちゃって。火曜日なんだけど、超ダルいっつーか、正直その教師とやってけないっつーか、そんな感じ?」

 悠晴は案の定私の話を聞いて笑い出した。

「マジ? こないだ勉強とか言ってたのホントなんだ」

「そう、カテキョ中だったの。でもマジありがた迷惑」

 そーだよなー、なんて一通り笑って、彼は私に提案した。

「じゃ、サボっちゃおうよ」

「え?」

「火曜日、俺と遊ぼう」

 歩と顔を合わせたくない。

 ましてや歩と勉強なんてしたくない。

 私は首を縦に振った。

 母が辞めないというのなら、自分の意思で辞めてやる。

 次の授業は、サボり決定。