私は悠晴とクリスマスパーティについて話していた。
「場所はカラオケで決まりね」
「うん。それじゃ女の子あと二人、よろしく」
「了解ー」
パーティとは名ばかりで、独り身同士の合コンのようなものだ。
それでいい。
楽しければ。
悠晴と会うのはこれが二回目なのに、もう随分前から知り合っているかのように話す。
こういうのを「軽い」って言うんだろう。
彼に限らず、誰とでも軽く接する。
軽いノリで一緒に遊んだりする。
そこに友情みたいなものはたぶんないけど、お互いに楽しめればいい。
暇が潰せればいい。
それが私たちの世界では暗黙のシステムだったりする。
「あと一週間か。あっという間だな」
八重歯を覗かせて楽しそうに笑う悠晴。
一方で私は火曜日のことを思い出し、憂鬱な気分になった。
「どうしたの? 急に元気なくなっちゃったけど」
顔に出したつもりはなかったのに。
私は慌てて笑顔を作った。
「ごめんごめん。ちょっと嫌なこと思い出しちゃって」