デートとか三人とか、わけのわからない言葉の並びと、確実に芽生えてしまった感情とが入り混じって、私の小さな脳ミソはパンク寸前だ。

 それをバカにしたように笑う歩は、わかるように説明をしてくれた。

「俺の彼女が、お前に会いたいんだって」

「彼女が?」

 車の、あの彼女か……。

「女の家庭教師なんて危なっかしいから、相手を見ておきたいんだってさ」

「ふーん」

 できれば、会いたくない。

 けど断ったら歩を好きになったって認めてしまうようで、嫌だ。

「間違いは起こらないから大丈夫だって言えばいいじゃん」

 無愛想にこう答えると歩は顔をしかめた。

「俺だってそう言ったさ。億に一つもないよって」

 チクン、と胸を刺激される。

 万に一つでしょ。

 ケタ増やさないでよ、失礼ね。