完全にネタになっている。
そんなところが嬉しかったりもする。
なかったことにもしなければ、ドロドロと感情を露にすることもない。
私たちの関係は、「おおかた」今まで通りだ。
「あ、そういえば。まだ跡残ってんだけど」
左胸を指差すと、自然に歩の手が伸びてきた。
「うそ、ちょっと見せて」
歩はバッと私の服を胸元からめくり、中を覗く。
条件反射のようだが、裸の付き合いをしたもの同士特有だとは思う。
「あ、ごめん」
歩はハッと我に返って、視線はすぐに離れていった。
「エロオヤジ」
「オヤジ言うな。まだセブンティーンだっつーの」
「エロは認めるんだ」
「まあ、これじゃ否定はできないし」
後腐れがないといえば嘘になるが、未練がましく求めることもない。
まあ、話すネタの幅が膨らんだくらいだろうか。
気まずさはない。