大丈夫。

 これからも今まで通り犬猿の仲でやっていける。

 憎まれ口を叩き合って、ギャーギャーケンカもできる。

 昨夜のひと時だって、こうやって笑いに変えれるんだから。

 私たちの青春の一ページに、少し色がついただけ。

 甘酸っぱい思い出が、一つ増えただけ。



「じゃ、フリー脱却してくるね」

 別れ際に敬礼。

「おう、捨てられんなよ」

 歩も真似して敬礼。

「あんたこそ、年上のリッチマンに取られないようにしなよ」

「なんだよそれ」

 私たちなりに検討をたたえ合って、それぞれの道に別れた。