体を回転させられ、歩と対面する形になる。

 ピンと来ていない私を見て、歩はチュッと軽くキスをした。

「俺、幼稚園から中学の時までずーっと恵里のこと好きだったの」

 突然の告白に、私の表情が固まった。

「それなのにお前、どんどん俺を避けていくわ裏で嫌いとか言うわで、純粋な西山少年は結構傷ついてたんだぞ」

 前に話してた失恋相手って、あたしだったんだ……。

 全く気が付かなかった。

 っていうか、そんな素振り、歩は見せてなかった。

 嬉しい反面、一旦は心が離れたのが寂しかったりする。

 嫌いって陰で言ったことがあるのは事実。

 それをたまたま聞かれてたなんて……。

「ごっ、ごめん。別に心から嫌ってたわけじゃ……」

「もういいよ。今、こうしてるわけだし」

 そっと頬に触れられ、微笑む。

「今だけでも……十年間の思いが実ったってことだもんな。まさか酔っ払った恵里に気持ちをぶり返されるとは思わなかったけど」

「もう、酒の話はしないで」