「聞きたい。……あ、でもあんまり恥ずかしいことしてるなら聞きたくないかも」

「どっちだよ」

 歩は笑って私の隣に座り直す。

 互いに視線がぶつかるのに耐えれなくなったのはわかっていた。

 視線を同じ窓へと移した私たちは、一歩後退してベッドに寄りかかる形で座った。

「聞かない方が良いかもね」

「えっ? あたし、そんな恥ずかしいことしたの?」

 慌てて横を見ると、50センチほど離れて座っている歩がこちらに迫ってきた。

 驚いて後退しようとしたが、支えにした腕を掴まれる。

「恵里、俺のこと好きなんだろ」

 私の心臓の音は、彼に聞こえてるんじゃないかってくらいにうるさくなった。

 バレてる……!

「な、何言って……」

「お前が自分でそう言ってたぞ?」

 顔が熱い。

 歩が近い。

 否定しようがない。

 あの時の記憶はないし、気持ちも嘘ではないから。