そして、ほぼ答えが決まった状態で迎えた1月最後の金曜日。

 翌日は悠晴に会う約束をしていた。

 OKの返事をするために。

 部屋で明日着ていく服などを選んでいると携帯が鳴り出した。

 電話だ。

 着信元は……歩。

 通話ボタンを押す指が震えた。

「もしもし」

「あ、俺俺」

 緊張して出たのに、あまりの軽さに拍子抜けだ。

「何の詐欺よ?」

「大して金も持たない女を騙すかっての」

 呆れた様子の歩。

 私はカーテンを少しめくった。

 部屋の明かりはついているが、いつものポイントに影はない。

「で、どうしたの?」

「いや、あいつへの返事、決まったかなって思ってさ」

 ギューッと胸の奥を握りつぶされたような感覚がした。

「余計なお世話よ。あんたに関係ないでしょ?」