歩はテーブルに頬杖をついて、視線をどこかにやっている。
そんなに興味ないのか、私の恋愛事情には。
「で? 付き合うの?」
意外にも少しだけかじりついた歩。
「考え中。返事いつくれるのかって催促されちゃって」
「そっか。好きなやついるって言ってたもんな」
「……うん」
それがあんたなんですけど。
人事のように言われると寂しいよ。
「返事、とりあえず今月中にしとけば? 余裕持ったほうがいいだろ」
「あ、ああ。じゃあそうする」
言及されたとおり、今月中には返事をする旨を送信した。
なんで歩なんかの意見に従ってるんだろう。
〈わかった〉
珍しく絵文字のない悠晴のメール。
それを読んで、携帯を閉じた。
歩も携帯を操作している。
響子さんだろうか。