ヴー ヴー ヴー

 枕の隣で鳴り出した携帯を開く。

 悠晴だった。

〈返事、いつくれる?〉

 考えなければならない大きな問題を思い出して、大きくため息が出た。

「新年早々ため息ついてんじゃねーよ」

 誰のためについてると思ってんだよ、あんたは。

 ムカついて大げさに二回吸ってやった。

「あたしにも色々あるのよ。考えることが」

「何それ? 数学に頭使えよ」

 だから、あんたに頭使ってんでしょうが!

 と言ってやりたい。

「美男子に告白されてんの」

「は? 何? あの八重歯?」

 美男子と聞いてピンと来たのか、記憶力の良い歩は簡単に言い当てた。

「まあね」

「ふーん」

 それだけかよ。