ピーーーー

 石油ファンヒーターのアラームで目を覚ました。

 気付けば結構深く眠ってしまっていたらしい。

 ヒーターのアラームを解除すると、歩も起き上がった。

「うわ、超寝てたな」

「すっごくダルいよ、西山先生」

「先生って言うな気持ち悪い」

 寝ぼけた声で張りのない言い合いをした。

 もう夕方だ。

 光が赤い。

「今日はもういいじゃん」

「うーん。どうすっかな」

 歩が伸びをすると、めくれていたロンTの裾から腹が見えた。

 思わずドキッとして目を逸らした。

「ま、いいか。宿題も終わったわけだし」

「やった!」

 私は再びベッドに横になった。

 眠そうな顔をした歩が頭をボリボリ掻いている。