コトは想定外に早く起こった。
1月4日、月曜日。
目の前には八重歯の美男子。
私は彼に呼び出され、街のファミレスへ来ていた。
「恵里ちゃん、俺と付き合って」
まさか、こんなに早くこういうことになるとは……。
頭によぎったのは歩の顔。
響子さんと一緒にいるときの、優しい顔をした歩の顔。
ここで首を縦に振れば事実上歩を諦めたことにできる。
横に振れば、惨めにも片思い続行決定。
しかし理屈ではどうしようもない私の気持ちは、確実に歩に傾いているのだ。
どうしよう。
悠晴の整った顔から目が離せない。
でも歩の憎たらしい顔が心から離れない。
私は頭の中で色んな葛藤をしながら、一言だけ告げた。
「考えさせて!」
そしてその翌日。