閉ざされた心の鍵を開けたのは私だった。
あなたの秘密を覗こうとした私が悪かったのかな。
しばらく、動きが止まったままだった。
この写真の意味を理解しようとして必死だった。
L判サイズの写真の中には、まだ幼さが残る皐と女の子が笑顔で写っていた。
その女の子が私にそっくりだなんて…
寒気が走る。
まだ冬が残っているのかな。
それとも春が早く来すぎたのかな。
そんなこと分からないけど、とにかく寒かった。
足の先から脳まで冷たさが伝わる。
それを持ったまま硬直する私。
この子はあなたの何?
なぜ私に近づこうとしているの?
理由がちらちらと見えてきた気がする。
原因は…この子?
ゆっくりと視線を皐に向けていく。
皐は私に背中を向けてフライパンを上手に操っていた。
何とか言いなさいよ。
あなたの口から零れる言葉を私は聞き逃さないから。