この先もずっと止まったままなのかな。
未来を、夢を、見てはいけないのかな。
夕日が姿を消そうとしかている。
私はいつもの場所に来ていた。
そこは、近くにある河川敷。
小さい頃よくここで遊んでいた。
お父さんとかけっこをしたり、椿とお話したり。
思い出の場所は私の腐っていく心を食い止めてくれる。
安らぎの場所。
緩やかな川の流れを見ていると悲しくなってきた。
どうして私ばかりなの。
なぜ神様は私ばかり不幸にするの。
体育座りをして顔を下に向ける。
涙を我慢しているつもりなのに、温かいものが体を伝っていく。
その味は少ししょっぱくて、また切なさを与えた。
「幸せになりたいよぉ…」
小さく溢した言葉は、ぴゅうっと吹く風に奪われていった。
「ひーなこ!何してるんだよ?また今日も学校休みやがってー」
後ろから聞こえてきた声。
最近声が低くなった彼は、大人へと近づいていた。
私の大好きな人。
「椿…!!」