なるべく日陰のある隅の方を歩いていく。
高校までは両脇に桜の木が植えられている。
まるで漫画の世界のようだ。

きっと憧れて入学する人が多いのだろう。
私もその一人だから。



道にいくつも落ちている花びら。
腐食していく花びらが「死にたくない」と訴えている。
でも私はそれを助けてあげられることはできない。


だって無力だから…



しばらくそれをずっと見ていた。




そんな時、運命が動いた…。





「どいてどいて!!」




後ろから聞こえてくる声。




「まじ危ないから!!本当止めろって!!」




後ろを振り返る人々。
その数人と私は目が合った気がする。
すぐに反らしたけれど。




ゆっくりと首を後ろに向けていく。




「やば!絶対ぶつかる!!」






その数秒後、私の視界は横向きになった。