あなたがいなくなったのはあまりにも突然で。
そんな現実を突きつけられた私は逃げ出すことしかできなかった。
でも遠くまでは逃げることができなかったの。
私は生きたかったから。
あなたのいない世界で生きたいと願ったから。
ごめんね、椿。
私はあなたを裏切ってしまった。
ちゃんと約束は守るよ。
また逢うことができたら彼岸花を持って「幸せだよ」と笑顔で言えるように…。
…満天の星空の下で私たちは深夜遅くまで語り合った。
次の日が休日だったせいか、時間なんて気にしなかった。
お互いの知らなかったこと。
癖や趣味好きな歌手。
様々な会話をして盛り上がった。
途中で「ごめんね」も言い合った。
先に「眠い」と言ったのは私。すると皐も「俺も」と言った。
お開きになってからはあまり記憶にない。
お風呂に入ってそのまま眠ってしまったようだ。
朝起きて携帯を見ると私は驚いてしまう。
「なに…これ」
不在着信32件。
全て保科さんからだった。