私を支えてくれる人を真っ直ぐ目を反らさないように。
「ほら、俺たちはお互いのこと何も知らないじゃん?俺はもっと妃菜子のこと知りたい。たとえば誕生日とかスリーサイズとか…」
「えっ!?」
「スリーサイズってのは嘘です。誕生日はいつなの?」
びっくりした。
驚かさないでよ。
絶対スリーサイズは教えないんだから。
「誕生日は、12月7日。皐は?」
「俺は6月7日。妃菜子と半年違いだね」
どくんと胸が揺れた。
え…ちょっと待って。
確か…確かそうだ。
「椿も確か…6月7日だった気がする…」
「えっまじで!?そんな偶然あるんだね」
まさかこの瞬間、私の知らないところで運命が壊れていたなんて。
鞄の中で震える携帯電話。
着信 保科さん
あなたが私を救ってくれたように私もあなたを救いたかった。
でも…でも…。
私が駆けつけたときにはもう…あなたはいなかった。