どれだけ小さくても、どれだけ弱くても毎日を一生懸命生きていた。
寂しくなったら手を取り合い、温もりを感じた。
この世界に生まれてきたのだから、悔いのないように…最期まで。
どれだけの時間を使って、私の過去を話しただろうか。
話し始めてから月の位置が動いていた。
「…これが私の過去…。」
「…話してくれてありがとな。辛かっただろ?」
「大丈夫よ…楽になった。皐も過去を話してくれたから…私も逃げずに話したかった。過去を聞いてどう思った?私のこと嫌いになった?」
涙を手で拭いて皐を見る。
皐は唇を噛んで、答えを探しているようだ。
私はそれを待つ。
何を言われても受け入れる。
「…ずっと妃菜子の傍にいたいって思った。でも妃菜子には椿がいるから、一番になれなくてもいいからずっと傍にいる。」
なぜあなたは私をそんなにも支えてくれるの?
だから私は分からなくなるんだよ。
でも運命は…狂い始めていた。