「俺…妃菜子がすごい好きなんだ。だから嘘をつかれてたことが悲しかった。あのときは頭に血が上ってひどいこと言ってごめん。もうやめよ?隠し事は…やめにしよ?」
「…うん…ごめんね…。でも私…ちゃんと皐に話したい。椿のこと、過去にあったこと。今までは話したくなかった。過去なんて関係ないって思ってたから…でも皐には言いたい。聞いてくれる?」
皐に顔を向ける。
返事をこの目で見たかったから。
声だけじゃ物足りない。
顔を見せて?
「…うん、ちゃんと聞くよ。俺は妃菜子のすべてが知りたいから」
あなたの言葉を聞いて安心した。
あなたの笑顔を見たら、また涙が流れた。
震える唇は自分の過去を話していく。
今までは言うのが怖かった。
他人に知られるのが嫌だった。
でもあなたには言いたい。
あなたに出逢えたことが運命なのなら、私はあなたを大切にするよ。