あなたの姿を確認した私は、さらに涙の速度をあげた。
やっと…やっと会えた。
もう会えないかと思っていたから。




「…さ…つき…」




「今さら何って思うかもしれないけど…今までごめんな。あれからいろいろ考えたんだ。俺さ…自分が卑怯だって気付いた」




「…なん…で。何で皐が謝るの?卑怯って何よ…私が…私が本当のこと…」




「俺は現実を受け入れるのが怖くて逃げたんだ。妃菜子のせいにして自分は悪くないって言い聞かせた。妃菜子のせいにすれば何もかも無くなると思ってた。でも無くならなかった…。妃菜子が好きな気持ちはずっと残ったままだった…」




大粒の涙は私の手へ落ち、弾いていった。
月明かりに照らされたその滴は、とても美しかった。



私がすべて悪いのに。
皐は自分も悪かったと謝ってくれた。





私は涙が止まらないくらい嬉しかったの。