「…万が一両親の会社が潰れても自分の蓄えは残しておきたいから。それに、認めてもらうためよ」




「誰に?」




こう聞いたあと、先ほど話したリュウとの会話を思い出す。
そういえばリュウの両親は自分が認めた人としか恋愛させてくれないと。
もしかして玲奈はそれを知っているのでは?
だから頑張って自分で稼ぎ、一人前になってリュウの両親に認めてもらおうとしているのでは?


そう考えたら辻褄が合う気がした。




「世間によ。もしリュウがあたしと一緒にいることでリュウの価値が下がるのならあたしはリュウから離れる…。でもリュウがそれでもいいってあたしと一緒にいてくれるならあたしはずっと一緒にいる。」




「ふーん…それくらい好きなんだね」





「何で…あたしこんなことあんたに言ってるんだろ」




私も不思議。
どうしてかな。
どうして玲奈とこんなにも自然に話すことができているのかな。