「…へ?」
なんて間抜けな声。
こんな声出したのは初めてだ。というか私からこんな声が出るんだ。
ちょっと笑える。
間抜けな声を出たのもそのはず。
目の前には色素の薄い髪の毛に、色白な肌に真っ赤な唇。
そして私を見つめるブルーアイズ。
まるでフランス人形。
学ランを着た少年がいた。
…この学ランどこかで?
「昨日、メモを拾ったの…僕です」
あ…日本語。
きっと彼はハーフだ。
なんとなくそう思った。
そして思い出す。
昨日、皐の連絡先を拾ってくれたのは彼だったのだ。
道理で見たことある制服だと思った。
あの時は顔まで見ていなかったからわからなかったんだ。
「あ!昨日はありがとうございました。あの時拾ってくれなかったら…今頃無くしてました」
「そんなに大事なものだったんだね?」
「…まぁ…」
大事?まぁ大事かな。
でもメモリに登録したし落とすことはもうない。
「…そんなに必要なの?さつきの連絡先。」
「えっ…?」
耳を疑った。
なんて…言った?
ちょっと待って…
いきなり何を言い出すの?
皐を知っているの?
見たことのないブルーアイズに見つめられた私は、その場で凍った。
…あなた、だれ?