「体育お疲れー。よく朝から体動かせるね、尊敬する」
「皐も出れば良かったのに!男子はなんだったの?」
「サッカーだよ!隣のコートでやってましたけど!」
三人の会話を隣で聞きながら次の授業の準備をする。
次は、日本史か。
やだな、まだ心臓が鳴ってるよ。
何だか苦しいし…。
このまま休み時間終わって授業にならないかな。
「ねぇ、今日の帰りみんなで遊びに行こうよ!妃菜子ちゃん、いいでしょ?」
目の前にいた小絵が私の顔を覗き込む。
その表情は照れてしまうくらい可愛い笑顔だった。
戸惑う私。
何て言えば…
「えっ、妃菜子ちゃん彼氏いるじゃん!放課後は彼氏とデートでしょ」
弘樹の言葉を聞いた瞬間、さらに心臓が速く動いていくのが分かった。
どくん、どくん…どくん。
「俺、放課後無理。バイト探ししなきゃ」
助けてくれたのは皐だった。