私たちは着替えを終えて教室に向かう。
また緊張してきた。
教室にはきっと皐がいるだろうから。



「あ、小絵と妃菜子ちゃん。おかえり!楽しかった?体育」



入口で出迎えてくれたのは弘樹だ。
だが小絵は弘樹の言葉には無視をして皐のいる席へと歩いて行った。
私は弘樹の前で立ち止まる。



「アイツには本当に皐しか見えてないんだな。俺は無視かよ…」



「じゃあ逆に弘樹くんは?弘樹くんは小絵しか見えていないでしょ?」



こう意地悪く言うと弘樹は苦笑いを浮かべた。
やはり図星のようだ。



「しょうがないか。好きだったらその人しか見えないのは当たり前だよね。俺たちもあっち行こ?」




弘樹は皐と小絵のいる場所に向かって行った。
私も行かなきゃな。
また心臓がうるさく鳴っているよ。



反射する皐の顔。
キラキラと輝く髪の毛。


今日はやけに眩しい気がした。気のせいならいいのだけど。