私たちの運命を知っていたのは神様だった。

少年院で更生中の椿。
そんな椿をただ待つ私。
好きな人が殺された皐。
皐のことを何も知らない小絵。皐が好きなことを知っていても小絵が好きな弘樹。

交差する感情、揺れる愛情。

行き着く場所は?

この混ざり合った想いはいつかすっきりするの?


私にはわからなかった。
まだ16歳だったから。



体を思いきり動かしたら何だか気持ちが良かった。
久しぶりに体を動かしたかも。あ、でも昨日全力疾走したっけ…
だから太ももの裏側がちょっと痛いんだ。



「一時間目体育だと何か嫌だよね」



小絵が着替えながらこう言う。確かに嫌かも。



「でもお昼ご飯食べたあとも嫌だなぁ…食べたものが全部出そうだから」




「確かにー!そうかも。やっぱり一時間目でいいや」




笑いながら会話を楽しむ。
あれだけ嫌だった高校生活が今は“楽しい”って感じる。