「でも…ダミーだったでしょ?皐が教えるわけがない。それはきっと偽物だよ。たぶんその場を逃げ切るために嘘を教えたのだと思う。皐は絶対教えないから。特別な以外ね」
確かに「皐にメールが送れない」って言っていた。
そういうことなんだ。
皐は知られたくないから嘘を言ったんだ。
小絵はきっと奈月さんの存在を知らないだろう。
言いたくない過去だからみんなに聞かれたくないんだ。
皐も私と一緒だね。
自分の殼にとじ込もって。
私がぶっ壊してあげるよ。
自分で壊せないのなら、私が叩いてヒビをいれてあげるから、あとは自分で壊してよ。
「皐は本当に何を考えているか分からない。でもあたしは大好きなの。雰囲気では冷たそうじゃない?でも本当はすごく優しいの。皐のことは何も知らないけど近くに居られれば幸せなの」
そう強く言った小絵が輝いていた。
強い人だと思った。