夢を見た。
夢の中に椿がでてきた。
知らないマンションの屋上で立っていた。
真っ白な服を着て、私を見て微笑んでいた。


優しい笑顔なのに、何かを我慢しているように見えた。


ずっと見つめていると、椿の背中から真っ白な羽が生えたの。そしてそれを操って天へ昇っていった。


それがあまりにも幻想的で息をするのも忘れていた気がする。

なぜこんな夢を見たのかはわからない。
でも最期に椿は「生きろ」って言ったの。


朝起きると私は泣いていた。
透明の涙が枕を濡らしていた。

やはり私は椿が好き。
椿がいなくなったら私は生きていけないよ。
私もあとを追いかけるだろう。


だから皐とのキスは秘密。
誰にも言わない。

私には椿しかいない。


皐はありえないのだから。



そう言い聞かせて制服に袖を通した。